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【振りステ】舞台『おおきく振りかぶって』 原作ファンが本音で全体評価!評判は?【レビュー】

舞台『おおきく振りかぶって』、通称「振りステ」、初日の2/2と、推しキャラ西広の誕生日である2/10の昼・夜公演、合計3回観戦してきました!

この記事では、良いことも悪いことも忌憚なく、「原作ファン」の目線で「舞台化」についてのレビューをしています。

できるだけ俳優さんや脚本等の側面からも語りたいと思いますが、2.5次元というジャンル自体初めてなので、的外れな意見を書いているかもしれません。ご了承ください。

「振りステ観に行けなかった」という方の参考になれば幸いです。

 

キャラ別でのレビューはこちら↓

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◆イベント情報

  • イベント名:舞台『おおきく振りかぶって』
  • 公演期間:2018年2月2日~2月12日
  • 開催場所:サンシャイン劇場
  • チケット料金:一般観戦シート7,500円(税込)、特別観戦シート9,000円(税込)

 

◆はじめに

当然ですが、脚本家による解釈→演出家による解釈→俳優による解釈という、たくさんのフィルターを挟んで原作を作り直した「舞台化」なわけです。5年10年と自分好みのフィルターを被せてきた原作ファンとしては、動揺する部分もありました。

でもそれはいわゆる同人誌で地雷が云々みたいな話で、「舞台化」自体が悪いとは思いません。

この記事でたくさん「解釈違い」という言葉を使いますが、批判ではないことはあらかじめご理解いただけますと幸いです。

 

◆総括

  • 「原作を完全再現」とまではいきませんが、大筋として原作を大切にしていると思える脚本でした。
  • 一部キャラの解釈違いはありましたが、原作ファンの思い入れによって当然仕方のないものであり、許容できました。
  • 解釈違いどころではない完全な「キャラ改変」も一部見られたましたが、脚本の進行上仕方なかったと思える改変だったので、最終的には許容できました。
  • 公演が後になるにつれて、役者のアドリブ・セリフアレンジが尖鋭的になっており、10日の公演は、初日に比べて緊張感や真面目さがありませんでした。

 

 

 

◆舞台セットについて

舞台前方、下手にマウンドがあり、上手にバッターボックスがありました。試合中はピッチャーもキャッチャーもバッターも野手も全員が客席の方を向き、ピッチャーは客席に向かって投げ、バッターは客席に向かって振る形です。

マウンドとバッターボックスそれぞれから白線が伸びていました。舞台後方が内野と外野。塁の場所は試合の状況ごとに変わるようで、一塁が左側だったり右側だったり、三塁が真ん中にあったりしていました。

後ろの壁は緑色の一面スコアボードになっています。ひな壇も球場のフェンスを模した緑色で、三段の階段でキャストさんの腰ほどの高さがありました。スコアボードの左右に審判・実況スペースがあり、役者が入れ替わりながらそこに立ち、審判・実況のコールをします。

また、これは舞台セットとは話が逸れますが、私は特別観戦シート(前から2列目)と一般観戦シート(2階席)の両方で観戦したのですが、特別観戦シートからだと手前の人の背中しか見えない円陣が、2階席だと上から見下ろす形なので全員の背番号が見える円陣になり、漫画の表紙みたいな光景だったのが心躍りました!

 

◆ダンスについて

アニメ1期のオープニングテーマ「ドラマチック」に合わせて、オープニングでは篠岡とシガポ以外のキャストが、エンディングでは二人も含めた全員が踊りました。

二人が増えた以外には同じ振り付け、同じ立ち位置でした。西浦パートと敵チームパートがあり、サビは全員で踊る構成です。

サビ以外は軽い振り付けと、振りかぶったりバット構えたり甘夏潰したりというキャラに合わせたポージングがメインでした。

サビに入る前に両隣の人とハイタッチする西浦がとってもかわいかったです。

サビの立ち位置は、三橋はセンターじゃなくて「中央」というポジションで、センターは阿部と巣山(敵チームパートでは織田と秋丸)でした。キャラ主要度ではなくダンス映えする人をセンターに集めたようです。

男性キャストに囲まれて唯一女性キャストであるモモカンが、一人だけしなやかでなめらかで素敵でした!EDでは篠岡も踊りましたが、一人だけスカートでキレよく踊っていて、とてもかわいかったです。

気になったのは榛名です。隣にいる秋丸がキレッキレなのに、榛名は舞台端でなよなよとやる気ない感じで踊っていてびっくりしました。他のキャスト皆さんがんばって踊っているのに、榛名だけ気が抜けてたように感じて残念でした。

 

 

 

◆試合について

試合中は、篠岡がウグイス嬢ポジション(スコアボード上手)に立ち、「1回の表、西浦高校の攻撃は、一番、セカンド、栄口くん」のように、これを毎回全部言ってくれます。

篠岡とは逆側の審判実況ポジション(スコアボード下手)に、西浦メンバーで打順の回ってこない子が交代交代で立ち、「ピッチャー、第一球を投げた!」「インハイにボール!」「空振りストライク!」「ピッチャーゴロ!一塁へ送球!アウト!」「空振り三振!」「スリーアウトチェンジ!」のように、すべての投球とグラウンドの状況を全部伝えてくれます。

このように、試合展開をすべて言葉で伝え、バッテリー・守備・走者・ベンチ組が身体や表情で伝える、という形で、試合を表現しています。

この設計のため、試合の内容は非常にわかりやすいです。試合展開によって一塁の場所が変わったり、三塁がよくわからないところにあったり、特に大きく試合が動くシーンでは舞台上が混沌として何が何だかわからなかったりしますが、実況がちゃんと大きな声で、熱量高く、とても興奮したように状況を伝えてくれました。

正直、今回の舞台の成功の鍵は、この実況にあったと思います。客席のことを「観戦シート」と名付けるのにふさわしいと思いました。舞台上はごちゃごちゃしていたけど、ちゃんとスライディングしたり、投げた方向にいる内野手がちゃんと投げた人の方を向いてグローブを構えていたり、ミットの音もタイミングよく出してくれるし、本当にちゃんと試合していました!

例えば本当の野球観戦に行っても、試合が大きく動くときにはグラウンドで何が起きているかまったくわからないですし、ボールがどこに飛んだかも見失います。(私だけ…?笑)それと同じ感覚でした。だから本当に「観戦」しているという体感でした。漫画やアニメはボールを追ったコマ割りになりますが、演劇は試合のすべてがそのまま見える、リアルな観戦でした。

実況しながら審判のサインもやっていましたし、本当に本当に、実況ポジの皆さんに惚れ惚れでした…!ちなみに実況ポジは、西広、沖、水谷、巣山がローテでほぼ回していて、たまに泉もやっていました。でも大事なシーンでは役柄上どうしても西広が実況ポジになりますし、試合終了時も当然西広になりますので、私は本当に大事なシーンで実況ポジしか見てませんでしたね笑。いや、実況ポジにいるときは厳密には西広ではないんですけど。

西広役の亀井さん、桐青戦のどこかのシーンで、ノーボイスで審判のハンドサインを出してるところがあるんです。何のサインかわからなかったんですけど、それがめちゃくちゃかっこよかったです。

また、投げるボールの音やミットの音でも演出がされており臨場感があります!榛名さんが投げるボールは原作通りシュゴーッと豪速球の音、桐青戦のラストの花井のバックホームはもはやボールの音とは思えない音で、演出の気合を感じました!

 

 

 

◆本編について

*導入~合宿

始まり方は原作と同じです。「三橋の奴高等部行かねぇんだって!」という声から入り、三橋が「見るだけ見るだけ」とひとり足踏みしているところへモモカンが来て、野球部の見学に連れ込まれる流れです。

「漫画」を「演劇脚本」に上手に書き直してくれていました。もちろんセリフを言いやすいように少し変えたりカットしたりという細かいアレコレはありましたが、本当に微細なものです。

個人的に気になったのは田島のキャラ付けです。彼は確かにおちゃらけ元気っ子ですが、原作ファン目線では違うそうじゃないんだ!という場面が多くありました。漫画を読み込んで深堀りしている原作ファンからすると、田島というキャラクターは、アホだけどガキではないんですよね。

立場上、話を進めやすくする役目を担っていたり、笑いを取るという重要な使命も課されていたと思いますが、ちょっとやりすぎかなと感じました。

「越境!?外人部隊だカッケー!」のセリフ、どちらかと言うと「すげー!」という素直な感情だと思うのですが、舞台の田島は三橋を指さしながら走り回って「カッケーwwwwうひょーwww」というニュアンスだったので、違和感がありましたね。

合宿シーンでの「箸上手ー!」も、初日公演では「箸上手wwwww」という感じだったのがすごく気になりました。ただ、10日公演では昼夜とも「箸上手ー!(感心と驚きと感動)」という理想通りになっていたので、拍手を送りたくなりました…!

それからリラックスの話のとき。「リラックスってなんだろう?」のくだりで田島が「リラックスぅ~」と言いながら変なポーズで袖から出てくるという小ネタがあり、毎回ポーズや口調を変えるというアドリブポイントだったわけですが、これがウケ狙いすぎでまったく田島のイメージと一致しなかったです。

とはいえ、それを否定するつもりはありません。舞台上が静止する場面(三橋がビビってまったく動かないシーンや阿部のモノローグシーン、シガポ講座など)で動きをつけたい、となったら、好き勝手できるのは誰かと言ったらそれはやっぱり田島だと思います。演出上の工夫なのだと思います。
また、もうひとつ気になった点として、セリフを原作とは別のキャラが言うことが何度かあり、戸惑いました。

入部シーンの「でもさーそいつ中学でダメダメだったんだろ?」の泉のセリフを栄口が言っているのはかなり解釈違いでした。(もし私の勘違いで、ちゃんと泉が言ってたのだったらご指摘いただけると幸いです)

逆に解釈一致ポイントとしましては、合宿シーンで全員黒のアンダーシャツを着てるんですが、3組コンビだけシャツインしているのがとてもGoodでした!!

 

*日常・練習パート

全体的に、テンポはすごく早いです。日常パート・練習パートが特に早いです。そのおかげで試合はカットなしで、原作準拠で描かれています。

でもキャプテンを決めましょう!のシーンは原作に忠実にやってくれました。変なセリフ改変もしないし田島と水谷のキャラを活かした笑いもあるし、このあたりは「原作に忠実(しかもファンの期待に応えたアレンジあり)」で、満点花丸でした!花井役の白又さんがすごくハマリ役です!

篠岡と三橋の「オメデトォ!」「マネジだから知ってるんだよ」がカットされた以外は原作通りですし、正直西広の初キャッチも完全カットされると覚悟していたのでやってくれてありがたいです。「はっつしごと!」「西浦ーぜっ!」からの西広キャッチだ!取ったよぉお!うんうん嬉しいよねぇ、はいテスト期間だよ勉強してるー?の疾走感はちょっとおもしろかったです。

疾走感といえば、春大観戦のシーンも、モモカン「ランニングで行くよ!よーいスタート!」\わぁ~!/(ひな壇の上に乗って)「着いた~!」という疾走感がコントみたいで毎回笑ってました。全然何もおかしくはないんですが…。単純に私の笑いのツボだっただけです笑。

このあたりも、榛名さんと阿部の会話、栄口と三橋のやりとり等、要所は押さえて原作通りでした。「ゲンミツに勝つ!」もありました。けど、そこに至るまでの会話はカットでした。「やっぱ笑顔がいいね!」もなかったです。でも榛名さんの投球を見る田島が原作のようにぺたーんってなってるのが良かったです!

また、これは私の個人的こだわりなんですが、西広がひな壇の上で胡坐かいているのが良かったです!西広って意外とベンチに足乗せて座るような子なんですよ(原作の崎玉観戦時)。

 

原作でひたすら練習メニューを紹介するシーン(「周辺視野とノックと体幹トレーニング」とか「電気のあるところで別メニュー」とか「おにぎり食べて21時に解散」とか説明があったところ)は、篠岡役の澤田さんの独壇場で、腹式呼吸ばっちりの素晴らしい声量と笑顔でナレーションをしてくれました。

このあたりから、篠岡が浜田の役目も果たさなくてはいけなくなってくるため、若干キャラ崩壊していくのですが、意外と慣れました。確かに初見は「篠岡はこんな言葉遣いしない」とドン引きしたのですが、浜田のセリフも引き継いでると考えると、するりと納得できました。

このシーンはガチの筋トレタイムに近いこともあり、公演を重ねるにつれてアドリブが増えていったのですが、後半には阿部が篠岡に絡みに行くようなアドリブがありました。これはちょっと阿部の解釈違いも甚だしく、やめてほしかったです。

解釈違いといえば、ノック練のときの田島。原作では「打ちたい方向を先に宣言してから打つ」というやり方をやっていましたが、それが「ホームラン!」「ホームラン!」「ホームラン!」と叫んでおり……ちょっと解釈違いでした。田島は自分の体格ではホームランを打てないことを自覚していますし、一人だけ『決めた方向に打つ』というコントロールの練習をしていることが他のメンバーとのレベルの差を表しているのだと思うのです。

 

*三星戦

シナリオ、すごく丁寧でした!ファンにとって必要な要素はすべて取り入れられていたように感じます。

加具山役の島野さんが三星の宮川役を兼任していたのですが、この子がハマリ役でした!香久山役としての出番より宮川役のほうがセリフも出番も見せ場も多かったのではないでしょうか。桐青戦では桐青の選手も担っていますし、影の立役者だと思います…!

*桐青戦

桐青戦はさすがにカットされたシーンやセリフが多かったです。でもストーリーとして重要なところはちゃんと押さえていたと思います。

個人的に残念だったのは、西広の「リーリーリー」がなかったこと、西広の「三橋がサードランナー!」が水谷のセリフに変えられていたこと、高瀬のモーション盗んだ~の一連の流れがカットされたため西広の背中をこねくり回すシーンも消えたこと。でもこれは私が西広推しだから残念なだけで、フラットな人間が脚本を書いたらまぁカットですわな、と納得できるので大丈夫です。

また、慎吾さんと和さんの「あの球浮いてんじゃねぇかな」「ップ」「笑うな!」が、初日はちゃんとこの通りにやってくれたんですけど、10日は昼夜ともに慎吾さん「ははっ」に変わっていて、これはちょっと私でも残念でした。

桐青の監督はシガポ役の筒井さんが兼任されていたのですが、これもちょっと解釈違いがありました。怒鳴ってるだけの監督じゃないんだよ~…「このタコッ」にも愛があるんだよ~。…と、初日はかなり気になったのですが、10日の夜は「このタコッ」すら言わなかった気がします。(気のせいかもしれません…。)

全体的に鬼軍曹のような監督になっていたので怒鳴るシーンはものすごく空気が重かったですが、桐青チームを兼任する真修さんが毎回日替わりネタを入れたおかげでちょっとマイルドになっていたと思います。初見の人は困惑だと思いますが…。

けどけど、桐青戦に監督がいて良かったです!桐青戦のおもしろさのひとつは監督同士の読み合いですからね!上手端に桐青監督、下手端にモモカンが立ち、その後ろに各選手が控え、舞台中央には投手と捕手とバッター、その奥に内野と走者がいて。「西浦VS桐青」という戦いの構図を、「舞台演出」として表現していて、非常にかっこよかったです。全員で作り上げるこの空間そのものが作品なんだ、というポリシーが伝わってきました。この全体的な舞台美は、一般観戦席だからこそ感じられたものかもしれません。2階席、よかったです!

監督がチームへのサインを出し、手を動かしながら「スクイズはない!」と手をパンッ!と叩くと、ウグイス嬢ポジが「1番、センター、泉くん」とアナウンスして。被せるように泉が「あす!」とバッターボックスに立ち、ベンチの味方が「いずみー!」と声を合わせ。それに続けて実況ポジが「ピッチャー、第一球を、」と言い出し、ピッチャーの高瀬が動き出し、実況「投げた!」で、今度はバッターとキャッチャーが動き出す。

漫画やアニメはコマや絵コンテという形でフォーカスが区切られていますが、舞台は「コマ」という概念がないので、全部、全部、全部、空間が繋がっていて、本当に………本当に感動しました。

これが舞台の魔力だ。ああ、だから芸術なんだ。と、心の底から感動しました。これはおお振りへの感動ではなく演劇という分野への感動です。アニメ化とは違う「見えなかった部分が見えるようになる」があるというのは、まさに新体験でした。

 

◆まとめ

冒頭の総評にも書きましたが、大筋として原作を大切にしていると思える脚本でした。

原作ファンとしても大成功の舞台化だったと思います。

舞台化してくれてありがとう、という気持ちでいっぱいです!

 

◆個人的な感想

ちょこっとだけ箇条書き!

・前から2列目の席の臨場感えぐかったです!阿部のため息、息遣い、小さな舌打ち、叶の苦しそうな「…ハァッ」と漏れ出たような呼吸、バットを振るブンッて音が、殴られそうなくらい近かったです…!俳優さんが目の前にスライディングしてきたとき、頬に風を浴びるほどです…すごかった…!

・前から2列目の席でレプリカユニを羽織っていたらカーテンコールで泉が指差して「ユニ」と口パクしてくれました!

・カーテンコールでは西広が目の前の真正面で本当に本当に本当にやばかったです笑!

 

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