シネマイレージの更新が近づいていて、映画サイトを頻繁にチェックしておりました。
んー。漫画原作オタク向けのアニメ映画は求めてないなー。恋愛映画やホラーはあんま興味ないなー。お、小説原作のアイドルアニメ?ほーん。あらすじが面白そうならこれを観ようかなー。………いやー……あらすじ読んだけど全然面白そうじゃないな………。
ーーーというのが、映画『トラペジウム』公開前の私です。
しかしいざ公開日を迎え、投稿されたレビューの数々と公式トレーラーを観た私は、「主人公の性格終わってるし、それが滲み出る表情が闇深すぎる……何コレめっちゃ観たい……」と、見事に手のひら返しをしたのでした。
ということで観てきました!
結論、期待値超えておもしろかったです!!

↑来場者特典のポストカードです。
◆作品情報
- タイトル:トラペジウム
- 原作:高山一実
- アニメーション製作:CloverWorks
- 声の出演:結川あさき、羊宮妃那、上田麗奈、相川遥花 他
- 公開日:2024年5月10日
- ジャンル:アニメ、音楽、アイドル
◆主人公について
主人公の人間性が終わっているという噂を聞いて楽しみにしていたのですが、実際は別にそこまで酷くなかったです。
人と笑顔で対話ができるコミュ力がありますし、教室に入る前に笑顔の練習をしますし、敬語使えますし、計画性と行動力が伴ってますし、やることはちゃんとやっている印象です。
おそらくこの主人公・東ゆうは、私と同じく、MBTIがINTJなのだと思います。
だからこそ擁護しちゃうのですが、計画が崩れたときにムッとなってしまうのは、ある程度仕方ないと感じます。
計画を立てているからこそ。そしてそれを机上にせずにしっかり行動しているからこそ。私もINTJだから、とっても気持ちがわかります。というか、自分自身を見ているような気分でした。笑
では彼女の何がダメだったかと言うと、その計画を秘密裏にやっていて、みんなを騙し討ちする感じだったからです。
◆アイドルになりたいわけじゃない
これかなり驚いたんですが、あらすじとして「一緒にアイドルやる子を東西南北から探す」のだと思っていたのです。
最近の学園アイドルアニメのように、アイドルをやりたがっている子を探して、誘って、アイドルグループを結成する話だと思ったんです。
ですから予告トレーラーに出てくる彼氏発覚という険悪な展開になるのは、「アイドルやりたいくせにアイドルの覚悟がなかった」という方向の物語だと思ったんですよね。
おそらく、同じように予想していた方、多いんじゃないでしょうか。
でも実際の物語は序盤から違いました。
実際の物語がどんなものかというと、「東西南北で構成されるグループ」をとりあえず作って、最初はみんなの興味のあることにも付き合ってあげて仲良くなって、あとは策略と戦略でうまいこと周囲から持て囃されるように仕立て上げて「さも偶然に導かれたようにアイドルに成り上がる」というストーリーです。
度肝を抜かれましたね。笑
他の3人視点では、「友達の輪が広がって仲良くしていたら、なし崩し的にアイドルにさせられていた」という話です。
たまったもんじゃないですよね!事前情報で主人公がヤバいと評されていたのはこのあたりが理由かと思います。
だからアイドル活動もうまくいくはずなく、、、というヒューマンストーリーです。
◆東西南北にこだわった理由
最初にあらすじを見たときに「つまらなそうだな」と感じた理由のひとつとして、「どうして東西南北にこだわるのか?」の答えがなさそうだったからなんですよね。
でも、「どうして東西南北にこだわるのか」の答えは明確にありました。
「自分がグループを構成する要素でいられる絶対的なコンセプトを作りたかったから」です。
オーディションはダメだった。自分1人じゃ受からなかった。じゃあどうすればいいか。他の素質ある子たちと切っても切り離せないコンセプトを作って便乗するしかない。そうまでしてでもアイドルになりたい。どんな形でもいいからアイドルになる。プライドはない。
正直その執着は狂気だと思うのですが、ちゃんと道筋立てて考えて、口だけじゃなく行動しているので、私はこの主人公が嫌いじゃありません。
◆発狂シーンに感情移入する
主人公のことを嫌いになりきれないのは、別に私がINTJ同士だから、ではありません。
亀井さんも、酷いことを言われたこともありましたが、過去に自分を助けてくれた主人公のことはヒーローだと感じたはずです。
華鳥さんも、何もなかった自分にいろんな世界を見せてくれて、結果として将来の夢を与えてくれた主人公のことは友だちだと思っているはずです。
でも唯一、くるみちゃん視点で考えたら、私は絶対に主人公のことを許せないと感じます。
警戒していた自分に、ロボットやプログラミングに興味があると巧妙な嘘を言って近づいてきた。
信じて気を許したら、いつの間にかアイドルに仕立て上げられていた。
"友達の優しさ"だと思っていたあれもこれも全部、打算の善意だったと気づく瞬間があったはずです。
私だったら許せないです。せめて一言、主人公から「一緒にアイドルがやりたい」という言葉があればまだ違ったと思いますが。
◆違和感のないご都合展開
テレビ出演→アイドル計画→事務所所属がトントン拍子すぎんか?と思った方も多いと思います。
しかしこれ、実はご都合主義ではなくて、そう見えるくらい緻密に「棚からぼたもちが落ちてくるように設計されたシナリオ」なんです。
テレビ出演することになったのは、そもそも主人公がテレビ取材が入るところを狙ってボランティアしたからです。
主人公はそもそもアイドル適性のある3人を選んでいます。テレビ関係者が「この素人はアイドル適性あるから企画に使おう」「適性があるからアイドルにして売ってみよう」と発想するのは至極当然のことです。
つまり、主人公のプロデューサーとしての能力が高すぎてご都合展開に見えてしまうのですね。
ストーリーは一貫していて、展開が破綻していないところがすごいと思いました。
◆最後に
ひとつだけ残念なところを書かせてください。
主人公以外の3人は歌が下手だからと口パクにさせられていたのに、ラストのシーンのアカペラが非常に上手だったのは、減点ポイントです。
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