レッドムーダンの2巻で描かれる絹布の問答編(諮茉莉編)についてまとめました。
無料分まで読んで続きが気になる方、広告で気になった方、よければ参考にしてください!
絹布の問答編は2巻までできれいに収まっているので、興味があれば2巻だけ購入してみても良いかと思います!
レッドムーダン 2 (ヤングジャンプコミックスDIGITAL)
◆作品情報
- タイトル:レッドムーダン(2)
- 著者:園沙那絵
- 出版年:2022年
- 掲載雑誌:グランドジャンプ(集英社)
- ジャンル:中華、後宮、宮廷、ファンタジー、サスペンス
◆諮茉莉の嫌がらせ
楊淑妃の誕生日での出来事が話題になり、才人の諮茉莉に目をつけられた武照。
盗みの嫌疑をかけられたり、服を脱がされたり、大量の蚕を部屋に投げ込まれたりとさまざまな嫌がらせを受け、「後宮は怖い場所だ」と涙を流す武照ですが、逃げ出せば家族を守れない、後宮から出ることは許されない、と思い知ります。
1巻の擲との別れのシーンもそうですし、基本的にこの後も、目つきが変わる武照はいつもかっこいいのですが、このシーンはちょっと異質です。
月明りに照らされた部屋で1人、残された蚕をつまんで微笑む武照………心が病んでしまったようにも見えますし、すべてを諦めてしまったようにも見えます。
初見は「ああ、武照は後宮の人間に嫌気が差して、蚕と仲良くすることにしたのか…」と思いました。笑
レッドムーダン 2 (ヤングジャンプコミックスDIGITAL)
◆養蚕と契り
ある日、武照たち才人は、鄭賢妃から題目(試験課題)を与えられます。
それは、皇帝のための「布」を用意すること。順位をつけ、1位になった布は皇帝の衣服として献上されると言います。
後ろ盾のある才人たちが金にものを言わせて豪華絢爛な布を調達する中、武照は、投げ込まれた蚕を部屋で養蚕して、取った絹糸で絹布を作ることを考えます。
いじめから助けてくれた徐恵にも絹糸の取り方や織り方を教え、寝不足になりながら、共に色違いの絹布を作りました。
武照と徐恵は「桃園の誓い」を真似て、姉妹の契りを交わします。
後宮に来てからずっと悲痛な目にあって来た武照に、親友とも呼べる姉妹ができました。
後宮にきてやっと武照がかわいらしく笑うようになり、徐恵と徹夜で絹布を作るシーンはまるでテスト勉強を一緒にする学生のようで微笑ましいです!
◆題目の提出
しかし提出直前、武照は諮茉莉に絹布を盗まれてしまいます。
提出する布がなくなったため、武照は大勢の前で怒られ、無能の烙印を押されました。
一方諮茉莉は、武照の絹布を提出して高得点を得ます。
事情を知っている女官や徐恵が憤ってくれますが、品評会の場ではなかなか発言もできません。
当の武照はと言うと、無能の烙印を押され、圧の強い才人たちに囲まれ、鄭賢妃の御前という場で、完全に委縮してしまいます。学がない武照は、こういうときの訴え方も、戦い方も、そのための言葉も、あまり知らないのです。
結果は、徐恵が1位、諮茉莉が2位となりました。
鄭賢妃は、黙りこくる武照に「言葉は自己を伝える道具」「言葉にする勇気がなければ流される」と諭しました。
実は鄭賢妃は初めから、諮茉莉が嘘を吐いていることを見抜いています。
しかしだからといって諮茉莉を咎める気はなく、武照を守る気もないのが鄭賢妃らしいです。
鄭賢妃も長い後宮暮らしで、後宮で生き抜くためには正しいことばかりではないと身をもって知っているのでしょうね…。楊淑妃の酒蔵も、燕徳妃の悪癖(8巻参照)も、彼女は知っていましたから…。
そんな後宮で生き抜くための術を、武照に身に着けてほしいのでしょうね。
レッドムーダン 2 (ヤングジャンプコミックスDIGITAL)
◆絹布の問答
順位が決まり褒賞を賜ろうというとき、ようやく武照は勇気を出しました。
「盗まれた」という釈明と追及ではなく、「私も絹布を作ったが失くしてしまった。せっかくなのでこの場で絹布の作り方を述べたい。諮様も手作りしたのなら答えられるはず」というスタンスで、知識勝負を待ちかけます。
一つ目の質問は「蚕は何を食べるのか」
これには諮茉莉も武照も「桑の葉です」と答えます。
二つ目の質問は「餌を食べる頻度は」
諮茉莉は適当に「朝昼晩の3回です」と答えますが、武照は「朝と昼の2回です。大きくなり皮膚が硬くなると量を増やします」と詳しく答えます。
三つ目の質問は「蚕はどうやって糸を吐き繭になるのか」
諮茉莉はしどろもどろに「……動きが止まって……2,3日で……」とあてずっぽう。武照は「眠という頭を上げてじっと動かない状態になり5~7日で糸を吐き始め、繭は大体2~3日で出来上がります」と冷静沈着に答えます。
四つ目の質問は「刺繍の黄色と緑色はどのように出したのか」
諮茉莉がほぼお手上げ状態で「染料で………」と苦し紛れに誤魔化そうとしたところ、武照はそれを遮って「それは違います!」と声を張り、それぞれ蚕の血などから取った天然の色だと説明します。
五つ目の質問は「どうやって繭から糸を取るのか」
もはや諮茉莉は何も答えられません。武照はおもむろに立ち上がり、「繭はお湯につけて解いて糸を紡ぎます。絹は熱に弱いもの……その際はぬるま湯にしてやさしくほぐしてゆくのです。着る人への想いを込めて」と演説します。
周囲の才人も武照の受け答えや演説に聞き入ってしまうほどでした。
痛快なシーンですね!
絶対にわかりっこない諮茉莉が武照より先に答えるのは変な感じしますが、まあ漫画的事情ということで…。笑
諮茉莉は6巻で味方として再登場するので、それを知って読むと、確かに意地悪な子ですが他の敵対后妃に比べると憎めない娘です。
レッドムーダン 2 (ヤングジャンプコミックスDIGITAL)
◆決定打
追い込まれた諮茉莉は開き直り、「陛下にこんな地味な布は恥だ」という発言をしました。
畳まれて机に置かれている絹布は、確かに真っ白の無地で地味に見えます。
武照は静かに反論します。
「地味でしょうか?それは絹の本来の姿を知らないからそう言うのです」
武照が絹布を広げて外に出ると、陽の光に当たって、真珠のように一面輝き出しました。
鄭賢妃は、武照に満点を与え、諮茉莉には罰を与えました。
ここで満点を取れたおかげで、武照と徐恵は他の才人よりも抜きん出て、いじめもなくなりました!
この後、武照は「言葉を知らないと戦えない」「いろんなことを学びたい」と徐恵に吐露します。
家柄や権力ではなく、知識を武器にしたい武照。彼女の成長から目が離せませんね。
◆まとめ
以上がレッドムーダン2巻に収録されているお話です。
この絹布の問答編(諮茉莉編)は、いじめっこを成敗する痛快さがメインで、レッドムーダンの中ではかなり平和的です。誰も死なないですからね…。
1巻(入宮~楊淑妃編)のような惨さ、えげつなさ、グロさを求めている方には物足りなさがあるかもしれません。
そういうのがお好きな場合は3巻以降の内文学館編や白薔薇編がおもしろいと思いますのでぜひ読んでみてください!
内文学館編(3~5巻)のお話はこちら↓
レッドムーダン 3 (ヤングジャンプコミックスDIGITAL)